サプリメントの摂り方
栄養摂取について。
筋肉を大きくする為の食事の摂り方は、基本的に、必要な栄養素を、食事で賄うのが理想的。
しかし、高強度の運動をしている人の場合、何もしていない一般人に比べて、必要な栄養素の量が多く、通常の食事では到底足りない部分を、サプリメントで補うようにする。
具体的には、たんぱく質、ビタミンなどが代表的。あと、食事から摂ることが難しい、単体の必須アミノ酸や、クレアチンなども、代表的なサプリメントの１つである。特に、たんぱく質やアミノ酸は、筋肉の材料そのものなので、摂取量には気を使っている選手が多い。通常、体重の２〜３倍の量が必要とされている。
例） 体重７０ｋｇの人 ７０×２.５ｇ＝１５０ｇとなる。
この１５０ｇという量を食事から摂ろうとすると、牛肉で約８００ｇ、卵なら約２０個、牛乳なら約５リットルと、なかなか難しい。さらに、この量の食事に加え、通常の白米やその他のおかずを摂った場合、明らかなカロリーオーバーになってしまう。牛肉にしても、卵や牛乳にしても、厄介なのは、たんぱく質以外に、脂質が多く含まれているため、高カロリーになってしまうことである。体を大きくするには、ある程度のカロリーオーバーはOKだが、摂り過ぎたために、せっかくの筋肉が見えなくなるくらいまで脂肪が増えては本末転倒である。
そこで、賢く利用したいのが、サプリメント。
その中でも、代表的なたんぱく質摂取源は「プロテイン」である。プロテインは、日本語に訳すると、「たんぱく質」で、まさに、たんぱく質摂取には持って来いの品であり、世界中のアスリートに幅広く愛用されている。 プロテインの利点は、
１ たんぱく質のみを摂れる。
２ 手間がかからない。
３ 安価である。（牛肉等、たんぱく質は高価なものが多いので）
４ 持ち運べるなどである。
後に説明するが、栄養素は、一気にたくさん摂るのではなく、出来るだけ小分けにして摂るほうが吸収しやすい。食事を１日に５回も６回も作るのは大変だし、社会人には事実上不可能な場合も多い。故に、上記の利点は、忙しいアスリートにとっては、かなり有効な物であることがわかる。食事（サプリメント）を摂るタイミングについて、結論から言うと、２〜３時間おきに、２０〜３０ｇ程度のたんぱく質と、適量の炭水化物を取るのが理想的。人間は、どれだけたくさん食べても、約３時間で、栄養の吸収は終わってしまい、その後、体内の栄養レベル・アミノ酸レベル、共に低下していく。低下していくと、脂肪ではなく、筋肉を分解して栄養素を作り出そうとする。これを、筋肉の異化作用（カタボリック効果）といい、アスリートにとっては致命的な状態である。
そこで、２〜３時間おきに栄養を摂取すれば、体内の栄養レベルは常に一定に保たれ、筋肉の回復や、たんぱく質の同化作用（アナボリック効果）が、１日中行われる。逆に言うと、１日２回〜３回の食事では、いくらたんぱく質の量が足りていても、体格を劇的に変化させるのは難しいと思われる。
特に、１日２回以下で、１度にたくさん食べるタイプの人は、脂肪がつきやすく、体重が増えても、体脂肪も増えてしまうことが多い。相撲部屋の食事を例に出すとわかりやすいのだが、力士は、１日２回、大量の食事を摂り、その後、昼寝や就寝をするため、効率よく脂肪が蓄えられる。力士なら、その食事が理想的だが、筋肉をつけたい我々にとっては、その逆をすれば良い。理想的な食事とサプリ摂取の具体的な例（６時から練習すると仮定して）
AM ７：００ １回目の食事ご飯orパンorフルーツ ハムエッグ 牛乳３００ｍｌ
AM １０：００ ２回目の食事プロテイン４０ｇ （体重を増やしたい人は、バナナやおにぎりも一緒に）
PM １２：３０ ３回目の食事焼き魚定食など
PM １５：００ ４回目の食事プロテイン４０ｇ （体重を増やしたい人は、バナナやおにぎりも一緒に）
PM １７：３０バナナ BCAA１５ｇ PM １８：００ 練習練習中 BCAA１５ｇ グルタミン２０ｇ
PM ２０：００ ５回目の食事練習後 プロテイン４０ｇ クレアチン５ｇ グルタミン２０ｇ フルーツ１００％ジュースなどの炭水化物
PM ２１：００ ６回目の食事ご飯 豚のしょうが焼き サラダ など
PM ２３：００ ７回目の食事プロテイン４０ｇ グルタミン１０ｇ
PM ２３：３０ 就寝
もちろん、これは、かなり理想的な例で、いきなりここまで徹底して行うのは難しいが、上記のような感じに近づければ、飛躍的な進化が得られるであろう。
食事の量は、体重や目的にあわせて、各々の量を調節すると良い。
基本的に、朝・昼・晩の３食は、複合炭水化物（主に、ご飯やパスタなどの主食となる物）とたんぱく質と野菜などの組み合わせが良い。練習の前後は、吸収が早い単純炭水化物（ジュースや糖類、果物など）と、ホエイプロテインやアミノ酸が良い。特に、練習後は、体中の栄養素が枯渇しているので、質の高い食事を求められる。仕事上、高回数の食事が難しい人や、一人暮らしで、しっかりとした料理が出来ない人は、食事の変わりに、牛乳ツナ缶ヨーグルトなど、コンビニでも売っているようなもので、たんぱく質含有量の多いものを利用すると良い。
また、体重を気にしなくていい人は、ハンバーガーやチキン、牛丼などのファーストフードを利用するのも、私の個人的意見として、有りだと思う。色々書いたが、初心者で、とにかく体つきを変えたい場合は、あまり難しく考えずに、何でも良く食べることが重要である。
特に、トレーニングをやり始めたばかりの人は、一気に成長するので、食事もサプリも、どんどん摂らないと、回復が追いつかず、努力が水の泡になってしまう。かくいう私も、以前は、１７３ｃｍで、５０ｋｇしかなく、一生懸命トレーニングをしても、筋肉も体重も全然増えなかった。食事は１日３食で、しっかり食べていたのだが、３年間で、増えた体重は１０ｋｇ程度。そこから、栄養について学び、上記の例のような食事を続けて、次の１年で１０ｋｇ、さらに次の１年に１０ｋｇ増えた。
ここで重要なのは、栄養学を学ぶ前と学んだ後でのトレーニング内容は、変わっていないことである。変えたのは栄養摂取の方法のみ。トレーニング上級者の中には、「練習３割、食事７割」と言う人さえ居るくらいである。これは、もちろん、「練習を３割しかしない」ということではなく、限界まで追い込むことが大前提なのだが、それでも、食事が無ければ、体を大きくすることは難しい、と言うこと。それほど食事は重要であり、体を造る材料は、食事しかない。トレーニングは、体を強く大きくさせるきっかけを作っているに過ぎないのである。
これをご覧になられている皆様も、色々と試行錯誤して、更なる成長を目指してください！
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